肩関節 内旋 筋肉|作用筋と鍛え方を徹底解説
2025年10月21日
肩関節の構造と内旋運動の基礎

肩の関節って、普段の生活の中ではあまり意識する機会が少ないかもしれません。でも、実はシャツを着るとき、髪を結ぶとき、荷物を持ち上げるとき…そのほとんどの動作に肩の「内旋」という動きが関係しているといわれています。
まずは、肩関節がどんな作りをしていて、内旋ってどんな動きなのかを、やさしく整理していきましょう。
- 肩関節の解剖と特徴
肩関節は、「上腕骨(うでの骨)」と「肩甲骨(かたの骨)」の一部である「関節窩(かんせつか)」が組み合わさってできています。ちょうどボールが浅いお皿に乗っているような形をしていて、とても自由に動かせるのが大きな特徴といわれています(引用元:https://stretchex.jp/5319)。
ただし、自由に動かせる分、少し不安定になりやすい面もあるといわれています。実は骨同士がガッチリ固定されているわけではなく、「関節包(かんせつほう)」と呼ばれる袋状の組織や靭帯、そしてローテーターカフと呼ばれる筋肉群がまわりを支えて安定させているんです。
さらに、肩関節は「胸鎖関節」や「肩鎖関節」「肩甲胸郭関節」といったほかの関節とも一緒に動いています。つまり、肩だけで動いているわけではなく、いくつかの関節がチームのように連携しているということなんです。だからこそ、大きな動作や細かい動きがスムーズにできるともいわれています。
- 内旋運動とはどんな動き?
さて、ここで本題の「内旋(ないせん)」です。内旋とは、腕の骨を体の内側に向かって回す動きのことをいいます。
たとえば、背中のファスナーを閉めるとき、エプロンの紐を結ぶとき、あるいは髪をまとめるときなど、日常の中でも自然に行っている動きです。
専門的には、肘を90度に曲げて、前腕を体の前側へ回す動作が内旋の代表例とされています。このときに活躍するのが「肩甲下筋(けんこうかきん)」、それに「大円筋(だいえんきん)」「広背筋(こうはいきん)」「大胸筋(だいきょうきん)」などの筋肉です。これらは内旋を起こすだけでなく、肩の安定を支える役割もあると報告されています(引用元:https://stretchex.jp/5319)。
- 内旋と肩の安定性・姿勢の関係
内旋の動きは、単なる「腕をねじる動作」というよりも、肩全体のバランスに深く関係しているといわれています。内旋がしづらくなると、肩甲骨の位置がずれて姿勢が崩れやすくなったり、肩周りがこわばったりすることもあるそうです。
逆に、内旋がスムーズにできると、肩の安定性が高まり、日常のちょっとした動作がラクになるといわれています。スポーツのパフォーマンスにもつながるため、理学療法やトレーニングの現場でもとても大切な動作として扱われています。
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肩関節の内旋筋(作用筋)の解説

肩関節の内旋って、意識していないだけで実はかなり多くの筋肉が関係しているんです。腕を体の内側に回すとき、肩甲下筋(けんこうかきん)や大円筋(だいえんきん)、広背筋(こうはいきん)、そして胸筋群といった筋肉たちが、まるでチームのように連携しながら動いていると言われています。
ここでは、それぞれの筋肉の位置や走行、作用の特徴を、少しやさしい言葉で整理していきます。
- 肩甲下筋(Subscapularis)
まず、内旋で中心的な役割を果たすのが「肩甲下筋」です。肩甲骨の前側(肋骨と接する面)に張り付くように位置していて、腱板(ローテーターカフ)の一部としても知られています。
この筋肉は肩甲骨の「肩甲下窩」から始まり、上腕骨の「小結節」という部分に付着しています。筋肉の走行は前から後ろ、そしてやや上腕骨の内側に向かって伸びていて、収縮すると上腕骨を内側に回す作用があるといわれています(引用元:https://stretchex.jp/5319)。
ちょっと専門的な話になりますが、肩甲下筋は単に内旋するだけでなく、肩関節を安定させる働きもあるといわれています。特に腕を上げるとき、この筋肉がしっかり働くことで、上腕骨の骨頭が関節窩からズレにくくなると報告されています。
- 大円筋(Teres major)
次に「大円筋」です。肩甲骨の下のほう、外側縁という場所から始まり、上腕骨の小結節稜に付いています。走行は比較的短く、肩の後ろ側から内側へと向かっています。
この筋肉は、内旋のほかに腕を後ろに引く「伸展」や、体の内側に寄せる「内転」にも関わっているといわれています。肩甲下筋と一緒に働くことで、よりスムーズな内旋が可能になるという報告もあります(引用元:https://stretchex.jp/5319)。
- 広背筋(Latissimus dorsi)
広背筋は背中を大きく覆う筋肉で、肩の内旋にも強く関係しています。起始は胸椎・腰椎・腸骨稜など広い範囲にあり、停止部は上腕骨の小結節稜。長い距離を走るため、腕を体の内側に引き寄せたり、内旋させたりといった大きな動きに強いといわれています。
特に、重いものを引っ張るときや、引き上げるような動きで活躍します。内旋では肩甲下筋や大円筋と協力しながら働くことが多く、安定感のある動作をサポートしているともいわれています。
- 胸筋群(Pectoralis major など)
もう一つ忘れてはいけないのが胸筋群です。特に「大胸筋」は胸の前面を覆っており、鎖骨部・胸肋部・腹部の3つの部分から起こり、上腕骨の大結節稜に付着しています。
大胸筋は、腕を内側に寄せる内転と、内旋、そして屈曲といった複数の動作に関与しているといわれています。普段、腕を前に伸ばす・押すといった動きの中で自然に働いているので、トレーニングでもよく知られている筋肉のひとつです。
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肩関節内旋筋と機能的役割/不調との関連

肩の動きを考えるとき、どうしても「外旋」や「挙上」などの大きな動作ばかりに目がいきがちですよね。でも実は、肩関節の内旋筋も肩の安定性にとても重要な役割を果たしているといわれています。
内旋筋は単に「腕を内側に回す筋肉」というだけではなく、関節を正しい位置に保ったり、姿勢のバランスを支えたりする機能にも関係していると報告されています(引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/79/3/79_376/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com)。
- 内旋筋と肩関節の安定性・位置覚の関係
肩関節の動きはとても複雑です。骨や靭帯だけで支えるのではなく、ローテーターカフを含む筋肉群が細かく連携することで、安定性を保っているといわれています。特に、肩甲下筋や大円筋、広背筋などの内旋筋は、肩関節の「位置覚(プロプリオセプション)」にも関わっている可能性があると報告されています(引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/79/3/79_376/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com)。
たとえば、目を閉じた状態でも腕の位置が何となくわかることがありますよね。これは筋肉や腱、関節にある感覚受容器から脳に情報が送られているためとされています。内旋筋がしっかり働くことで、肩関節の位置がぶれにくくなり、自然な動きが保たれやすくなるといわれています。
また、内旋筋と外旋筋のバランスが取れていることも、安定した動作には欠かせないとされています。片方が強すぎたり弱すぎたりすると、肩の位置が微妙にズレることがあり、それが積み重なると動かしづらさや違和感につながるケースもあるようです。
- 内旋筋と不調との関連
内旋筋の機能がうまく発揮されないと、姿勢や肩の動きにも影響が出やすくなるといわれています。代表的なものが「巻き肩」や「肩の前方突出」です。これは、胸側の筋肉(特に大胸筋)が優位になって肩が前に引っ張られ、背中側の筋肉とのバランスが崩れることで起きやすいとされています。
また、肩の可動域が狭くなる「可動制限」もよくある不調のひとつです。内旋方向への動きが小さくなると、日常動作の中で小さなストレスが積み重なり、肩全体の動きがぎこちなくなることがあると報告されています(引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/27/2/27_141/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com)。
肩関節は複数の筋肉と関節の協調で成り立っているため、どこか1つがうまく働かなくなると全体に影響が出やすいといわれています。特に、姿勢不良やデスクワークの長時間化などが続くと、内旋筋と外旋筋のバランスが崩れやすくなるという報告もあります。
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ストレッチ・可動域拡大法とアプローチ比較

肩関節の「内旋」って、普段なにげなく動かしている動作のわりに、可動域が狭くなりやすい部分でもあるんです。例えば背中のファスナーを閉めるときや、エプロンの紐を結ぶときに「肩がつっぱるな…」と感じたことがある人もいるかもしれません。それは、肩関節の内旋可動域が低下しているサインかもしれないと言われています。
ここでは、肩関節の内旋可動域を広げるためのストレッチ方法と、機器を活用したアプローチの違いを整理していきます。
- 他動ストレッチと自動ストレッチの違い
まず代表的なのが「ストレッチによるアプローチ」です。
ストレッチには大きく分けて「他動(たどう)」と「自動(じどう)」の2つの方法があります。他動ストレッチは、誰かに補助してもらいながら動かす方法で、リラックスした状態で可動域を広げやすいといわれています。たとえば、ベッドやマットに仰向けになって肘を90度に曲げた状態で、セラピストやトレーナーが前腕を内側にゆっくりと押していくような形です(引用元:https://stretchex.jp/5319)。
一方、自動ストレッチは自分で行う方法です。壁やタオルなどを使いながら少しずつ内旋方向へ動かしていきます。たとえば、立位で手を背中の後ろに回し、反対の手で少しだけ引き上げるようなストレッチがあります。この方法は日常的に取り入れやすく、肩まわりの筋肉を自分の感覚でコントロールしながら可動域を広げやすいといわれています。
- 補助具を使った内旋ストレッチ
ストレッチに慣れていない人や、肩が硬くなっている人は補助具を活用する方法もあります。代表的なのは「タオルストレッチ」です。片方の手でタオルの上端を持ち、反対の手を背中の後ろから下側で持ちます。そのまま上の手でタオルをゆっくり引き上げると、内旋方向に肩が伸ばされる形になります。
この方法は一人でも行いやすく、無理のない範囲で調整しやすいのが特徴とされています。毎日の習慣として取り入れることで、少しずつ可動域が広がりやすいといわれています。
- 機器を使ったアプローチ(Radial Pressure Wave など)
最近では、ストレッチだけでなく、専用の機器を使ったアプローチも注目されています。たとえば「Radial Pressure Wave(RPW)」と呼ばれる機器を使った方法があります。これは圧力波を筋肉や腱、筋膜にあてて、柔軟性や可動性を引き出すことを目的とした施術で、ストレッチと比較して即時的に可動域が広がりやすい傾向があると報告されています(引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/srpt/14/1/14_14_41/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com)。
もちろん、機器を使えば万能というわけではなく、ストレッチとの組み合わせによってより良い効果が得られやすいといわれています。RPWは、特に筋肉の柔軟性が低下しているケースや、自己ストレッチだけでは動かしにくい場合の補助として活用されることが多いようです。
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トレーニング・エクササイズ実技

肩関節の内旋は、日常生活でもスポーツでも欠かせない動きのひとつです。
例えば服を着るとき、荷物を持ち上げるとき、ボールを投げるとき…実は意外と多くの場面で内旋筋が活躍しているんです。ストレッチで柔軟性を高めることも大切ですが、それに加えて内旋筋のトレーニングを行うことで、肩の安定性や動かしやすさの改善につながるといわれています。
ここでは、チューブやダンベル、ケーブルなどを使った代表的なトレーニング方法を紹介します。
- チューブを使った立位抵抗内旋(Standing Internal Rotation)
まず取り入れやすいのが、トレーニングチューブを使った「立位抵抗内旋」です。
肘を90度に曲げて体のわきにつけた状態で立ちます。チューブをドアノブなどの固定物に結び、片手で持ちましょう。そのまま前腕を体の内側へと引き寄せるように動かします。
ポイントは、肘が浮かないようにわきに軽くタオルなどを挟んで安定させることです。肩甲骨がガタガタ動かず、内旋筋だけをしっかり使えるといわれています。
負荷はチューブの強さで調整できます。初心者は軽めの負荷から始めて、回数を10〜15回、2〜3セットを目安にする方法が多いとされています。
- ケーブルマシンを使った内旋トレーニング
ジム環境がある人には、ケーブルマシンを使うのも効果的といわれています。基本的なフォームはチューブと同じで、肘を体側に固定して、前腕だけを内側に引き寄せます。
ケーブルは負荷が一定にかかりやすいため、筋肉の収縮をしっかり感じやすいとされています。動作中は力で引っ張るのではなく、呼吸を合わせながら滑らかに動かすのがコツです。
- 90°外転位での内旋運動(Dumbbell Internal Rotation at 90° Abduction)
さらに負荷を高めたい人は、ダンベルを使った「90°外転時内旋運動」もおすすめです(引用元:https://fitwill.app/ja/exercise/5065/dumbbell-shoulder-internal-rotation-at-90-abduction/?utm_source=chatgpt.com)。
肩を90度外転(横に開いた状態)し、肘も90度に曲げます。その姿勢からダンベルを持ち、内旋方向にゆっくりと動かしていきます。
このポジションではローテーターカフ全体が強く関与するといわれており、特に肩甲下筋の活動が高まりやすいと報告されています。
ただし、フォームが崩れやすいので注意が必要です。動作中は肩が前に出ないように気をつけ、痛みや違和感があれば無理をしないことが大切とされています。
- トレーニングのコツと注意点
どのトレーニングも、いきなり強い負荷をかけるのではなく、フォームを正しく保つことが大切といわれています。回数や重さを増やすよりも、狙った筋肉にしっかり刺激が入ることを意識するのがポイントです。
また、肩甲骨の位置が安定していないと内旋筋をうまく使えないことがあるため、動作中は肩をすくめないように注意しましょう。トレーニング後に軽くストレッチを取り入れると、肩まわりの柔軟性を保ちやすいといわれています。
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